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現代社会をタフに生き抜く「新しい学力」の育成と評価 ―2020年大学入試改革を見すえて―

『PROG白書2016』の内容紹介

2016/05/30  タグ:  

角方正幸(「キャリアの広場」責任者/____
リアセックキャリア総合研究所所長)

今回2016年5月25日に発行した本書は、昨年1月に創刊した「PROG白書」の第二弾で、「新しい学力」をテーマに高校・大学7年間のジェネリックスキルを取り上げている。

第一部は、2015年11月に開催したセミナー「学生の多面的評価を考える―日本の若者をタフに育てるために―」の講演内容を基にしたものである。当日は、鈴木寛氏(文部大臣補佐官)から日本に求められている教育改革の全体像について、安西祐一郎氏(日本学術振興会理事長)から大学入学者選抜など高大接続を中心に、田中潤氏(株式会社ぐるなび執行役員)からは企業で求められている人材像についてご講演いただき、入口から出口までを通した高等教育で求められている「多面的な学生評価」の全体像を俯瞰した。そこで、「なぜ、大学は学生の多面的評価を取り入れるのか~高校-大学-社会をつなぐ教育改革~」と題して全体を再編集し、セミナー内容を分かりやすく解説し、取りまとめた。

第二部では、大学生に加え新たに高校生約3000人がトライアル受験したPROGデータを基に、高大7年間のジェネリックスキル育成について実態の解明に努めた。高校生の多面的評価として従来の教科学力に加えジェネリックスキルを同時に測定、高校生個人や高校のタイプ別にその特徴を分析している。また、大学生についてはいわゆるパネルデータを分析した。過去1年間で複数回受験した大学生2万人のデータを基に、コンピテンシーの伸長構造を明らかにしている。この第二部で明らかになったトピックスとしては、高校生の分析から

① 学力3要素は独立した能力で、それぞれに育成が必要
② 超進学校でのコンピテンシー不足が深刻
③ 従来の教科学力評価は「勤勉さ」のみの評価では?
④ 新しい学力の育成にキャリア教育が大切

大学生のコンピテンシー伸長分析からは、

⑤ コンピテンシーは、女性より男性が、文系より理系が、
_首都圏より関西圏が伸びる
_また、規模別には中規模大学が一番成果を上げている
⑥ 学習態度や大学生活への適応がコンピテンシー伸長に大きな影響を及ぼす

など、興味深い結果が得られている。詳しくは是非書籍にてご一読いただきたい。


PROG2016『PROG白書2016 現代社会をタフに生き抜く「新しい学力」の育成と評価―2020年大学入試改革を見すえて―』
http://www.riasec.co.jp/hiroba/archives/12509
_

『PROG白書2015』→http://www.riasec.co.jp/archives/1825

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