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連携と競争の間に――「大学間連携推進事業」をどう見るか

2012/06/04  タグ: ,  

日本の大学は、少子化で18歳人口がますます減少するにもかかわらず増加の一途で、大学・短大数は800を超えるに至った。小泉政権下において各種‘規制緩和’を推し進めた結果だが、各大学は毎年数が減っていく高校卒業生を奪い合うことになり、私大の4割に定員割れが生じているのが現状だ。

このような環境下、文部科学省は平成20年度の「戦略的大学連携支援事業」より、大学間連携の新たな展開を始めた。この事業は平成24年度「大学間連携共同教育推進事業」まで受け継がれており、平成20年度末には「大学における教育課程の共同実施制度」も開始している。一連の事業・制度の狙いとしては、国公私立を超えた大学間の戦略的な連携の取り組みを支援し、地方の大学教育をいっそう充実させると謳っている。

大学間連携は、製造業を中心に事業統合・共同開発などの企業再編が盛んに行われたのと似ているという見方もできる。国内マーケットで多くのメーカがしのぎを削りつつ共存した時代からグローバルな市場へと変化するにつれて、競争力が乏しい国内メーカの縮小・統合が進んだのと同様、競争力が乏しい大学は再編へ向かわざるをえないというわけだ。つまり、教育といえども過酷な市場原理で淘汰される時代になってきている。

一方で、社会の要請に応える教育・質保証システム構築の観点から、共同・連携の必要性が生まれている面もある。特に、就業力の育成では、大学のキャンパス内だけでは育成が難しい基礎力や、インターンシップ(就業経験)などのために、地元企業や団体、行政などと大学との連携が不可欠だが、これを個々の大学が単独で実施するのは問題が多い。
例えばインターンシップで学生を受け入れる企業では、各大学とバラバラに打ち合わせるよりは地域の大学が取りまとめてくれる方がありがたい。場合によっては、高校生のインターンシップも受け入れていて、窓口の一本化を望むこともある。

2010年7月に行った全国の大学へのアンケート調査(注)の結果からは、就業力育成に関する連携相手として主に企業や自治体を想定していることがわかる。大学間の積極的な連携姿勢は見られない(グラフをクリックすると拡大)

それでは就業力の育成強化を推進していく上で、今後大学間連携は積極的に行うべきなのか? 行うとすれば、どのような連携が優先されるのだろうか?

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