1月の離職は「12月の仕込み」で防ぐ。
社員を再起動する「リ・オンボーディング」のススメ
更新日:2025年12月22日
▼年明けの離職を防ぐ「リ・オンボーディング」実践ガイド▼
年末の慌ただしさに追われるこの時期。人事担当者や管理職の皆様の中には、従業員の「年明けのエンゲージメント低下」を懸念されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
年末年始、一人で静かに過ごす時間は、従業員にとって絶好の「キャリア見直し期間」になります。もし、仕事に対して「やりがいが感じられない」「今の会社にいても先が見えない」と感じている状態で休みに入れば、1月の仕事始めに「やっぱり辞めよう」という決断を下すリスクが高まる可能性もあります。
そこで今注目されているのが、新入社員だけでなく既存社員に対して「再度の歓迎と動機づけ」を行う「リ・オンボーディング」という考え方です。今回は、多忙な管理職でも今日から現場で実践できる、3つのスモールステップをご紹介します。人事の方は各部署の管理職の方にぜひ本記事をご紹介ください。
12月から1月にかけてのわずかな期間、管理職や人事が意識的に「再点火(リ・オンボーディング)」の仕掛けを行うことで、離職リスクを下げることができます。
重要なのは、特別な制度作りではなく、日々のコミュニケーションの中に「心理的な安心感」と「未来への期待」を組み込むことです。
ここでは、忙しい現場でも明日から取り組める具体的な3つのステップを解説します。
年末に「あぁ、あれが残っているな…」「あの件、年明けに上司からつつかれるだろうな…」という不安や未完了感を抱えたまま休むと、休暇中も脳の一部は常に仕事モード(警戒状態)のままになり、真の意味でリラックスすることができません。これを「心理的負債」と呼び、蓄積されると年始の激しい「出社拒否感」に繋がります。
●具体的なアクション
面談の時間をとるとベストですが、難しい場合は帰り際の数分やチャットで、「今年、心残りになっていることや、来年早々に片付けたい懸念点はある?」と軽く一言投げかけてみましょう。
●充実のポイント
部下から懸念点が出てきたら、その場で解決しようとしなくてOKです。
「それは1月〇日の午前中に一緒に整理する時間を取ろう。それまでは一旦忘れて、しっかり休んで」と、「再開のタイミング」を上司が指定すると効果的です。
これにより、部下の脳は「今は考えなくていい」という「許可」を得た状態になり、未完了のタスクが抱えるストレスから解放されます。
休暇明け、心身ともに「休日モード」から「仕事モード」へ切り替えるには大きなエネルギーを要します。
いきなり溜まった未読メールの処理や数字の報告から始めると、脳は一気に現実に引き戻され、激しい疲弊(リアリティ・ショック)を起こします。
これを防ぐのが、心のアイドリングとしての「対話」です。
●具体的なアクション
始業初日の最初の30分を、雑談を兼ねたチームミーティングや1on1などに充ててみましょう。業務連絡は後回しにし、「今年、個人的にどんな風に過ごしたいか?」を緩く共有し合うことから始めます。
●充実のポイント
「仕事の抱負」を強制するのではなく、まずは個人の「興味」を先に引き出すことが重要です。自分の「やりたいこと」と「仕事」が重なっていることを再認識できれば、仕事へのエンジンは自然と再点火されます。
離職防止やエンゲージメント向上と聞くと、何か特別な制度や多大な労力が必要だと思われがちです。しかし、最も効果的なのは、従業員が「自分はここにいてもいいんだ」「来年はこれを頑張ってみたい」と思えるほんの少しのきっかけを提供できるかどうかです。年末のちょっとした「お疲れ様」の一言や、年始の「今年はどんな年にしたい?」という問いかけの積み重ねが、組織としての底力になります。
私たちは、日々現場で奮闘する皆様が、一人ひとりの社員とより深く、前向きな対話ができることを応援しています。
ぜひ、今回ご紹介したアクションやツールを活用して、チーム全員が笑顔で「今年も頑張ろう!」と言い合える、最高の仕事始めを迎えてください!