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WVI
ワーク・バリュー・インベントリーの効用
ワーク・バリュー・インベントリー(以下WVI)は、あなたが持っている「仕事(働くこと)の価値」を要素に分解し、それらのうち何が重要で、何が(充足に対して)緊急度が高いかといったように分類・整理して把握するためのアセスメントです。
「仕事の価値」について林(1985)は、「個人が職務上いかに行動すべきかについて抱く、比較的永続的な信念のこと」であるとし、「仕事の価値を通じて、個人は自己の職務や仕事環境について様々に評価し、その結果が様々な態度、意見、行動となって表れる」と述べています。すなわち、個人が対峙する職務内容や仕事環境は、様々な属性(価値項目)を有しています。一方、個人にはそれらの属性(価値項目)に対して持つ評価のフィルター(価値体系)があり、そのフィルターを通して評価された結果が様々に統合されて、個人の態度や意見、行動となって表れると解釈することができます。
WVIの活用シーン
ワーク・バリュー・インベントリーの理論的背景
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価値というフィルターを通して項目に与える評価を考える場合、「不満? 満足」や「不要? 必要」というような一次元上の程度の差を想定することがまず考えられます。しかし、品質管理やマーケティングといった、物に対する大衆の評価をテーマとするような分野では、旧来より、もっと多次元の側面から価値評価を考えることがあるようです。

例えば、近代品質管理の創始者といわれるシューハート(1939)は、「品質には2つの側面、すなわち客観的側面と主観的側面がある」と述べています。また、「不良品を少なくできれば消費者の不満は減るが、一向に満足度は上がらない場合がある。このような事象を説明するために、1970年代初めから『プラスの品質とマイナスの品質』(水野)、『前向きの品質と後ろ向きの品質』(石川)という言葉が用いられ始めた」(魅力工学研究グループ編「魅力工学」:1992)とされています。

行動科学の分野で、評価の多次元性に注目したものとして、ハーズバーグ(1959)の研究があります。彼は200人におよぶエンジニア、会計士を対象にした面接調査を通じて、仕事の属性には、
1)満足のみに作用し、不満足に関係しない要因(動機付け要因)
2)不満のみに作用し、満足には関係しない要因(衛生要因)
の2種類が存在することを発見しました。

これらの先行研究を統合する試みとして、狩野ら(1984)は、物理的充足状況を横軸に、主観的な満足感を縦軸にとった二次元モデルを提案し、以下のように価値項目を分類しました。WVIはこの理論を踏襲しています。

1)当たり前項目:充足していても「当然」と感じたり、「当たり前」と思えるが、不足状態の時は不満を感じるような項目
2)一元項目:あればあるほど満足度は上がるが、不足状態の時には満足度も低下する項目
3)魅力項目:不足状態でも、「当然」あるいは「仕方ない」と感じるが、充足状態になると満足度が上昇する項目
4)無関心項目:充足しても不足状態でも、満足も不満も感じない項目(本人にとっては価値要因ではない)

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