キャリアの広場は、キャリア教育の様々な情報を送り届ける情報メディアサイトです。お気軽にご活用ください。

『PROG白書2021』の読後感想

読者プレゼント当選のみなさまの声

2021/12/20  タグ: ,  

学事出版・刊

当サイトで11月に実施した『PROG白書2021』発刊プレゼントに多数のご応募をいただき、ありがとうございました。先着100名にお送りするとともに、読後の感想・ご意見をお寄せいただくようお願いしたところ、多くの方から貴重な声をうかがうことができました。

その中で目立ったのは、「社会で求める能力」「コンピテンシー」に注目された感想・ご意見です。一方で多くのご意見が、「キャリア教育」「コンピテンシー育成」などに限定せず、大学教育全体を見直す広い視野に立つものでもありました。分析結果を踏まえた本書での提言の1つとして「特定の科目やコースではなく、4年間の大学教育全体を『コンピテンシー育成の視点に基づいたカリキュラム・デザイン』という発想で」としたことに通じるものがあると感じました。
また、PROG活用の有無を問わず「PROGについて理解が深まった」「今後の教育に参考にしたい」との声や、第2部の有識者コメントが参考になった、といった感想もいただきました。

以下、みなさまの感想(原則として全文)をご紹介します。見出しは「感想タイトル」としてご自身に付けていただいたものをそのまま使用しています。

社会で求める能力

学生に修得させるべき能力
大学の卒業要件124単位のうち、専門、教養、外国語の各科目群から何単位ずつ修得させるかについては様々な意見や主張があり、カリキュラム改訂を議論する際に大きな問題となります。特に専門教育を担う教員からは、専門知識を修得させることが大学の教育でもっとも重要である、という主張が従来からなされてきました。しかし、「PROG白書2021」第1部第5章を読むと、学生が社会に出てから求められる能力として、専門知識は十分でもコンピテンシーが圧倒的に不足していることがわかります。単位の実質化や学修時間の確保を求められる中、今後はカリキュラムの体系化やスリム化も考慮する必要がありますが、その際の方針を検討する上で参考となる貴重なデータが本白書で示されているのではないかと思います。

質保証における卒業生調査検討に役立つ一冊
13大学の卒業生調査やPROGを活用し、様々なリサーチクエスチョンで分析されており、PROGを導入している大学だけではなく、卒業生調査に取り組む大学には参考となる示唆が多い本でした。特に、仕事満足度やキャリア意識、社会で求める能力と大学での修得能力の分析については、大学として学生の学びがどうであるかの評価の参考になる章だと感じます。

コンピテンシー

コンピテンシーの重要性を再認識しました
白書をご送付いただき、ありがとうございました。興味深く拝見させていただきました。中でも、「仕事満足度とキャリア意識」という大学教育のアウトカムの規定要因として、コンピテンシーとの相関が有意で、最も影響力の強い規定要因であるとの分析には、興味を持ちました。大学においても、基礎的なスキルを底上げする教育が必要であると感じました。

大学教育の意味を問う
大学教育の意味を問う、非常に興味深い内容でした。アルバイト等、正課外の経験だけではなく、いかにして大学での授業経験を通じて学生のコンピテンシーを伸ばすか、特に新型コロナウイルスによって遠隔授業が飛躍的に普及した今、大きな課題といえます。
学内の教職員にも広く知ってもらいたいため、この書籍の内容に関連したセミナーがあると良いと思いました。

進歩か変化か退行か・・
教育を行うにあたり学生の質的な変化が急速に進んでいると感じています。今回の白書を拝見し、年々学生のコンピテンシーが下がってきている傾向が見られるという結果に対して正にその通りであると思いました。ここ2年は新型コロナの影響もあるのかもと思いますが、やはり社会の急速な変化に伴い、とてもドライな学生(人間)が急増してきているように感じています。人と人との関係性を人との出会いや関わりで構築するという考えなどは皆無で、ソーシャルメディア上での関係性のかなでの存在というもの!それが一番大切で、そこの中で生活しているというような・・非常に怖いものを教育を行っていて感じ取ることが多くなりました。面倒を見るだけ見ても返ってくるものは何もない。本当にドライな世界になってきました。
大学の教育もパラダイムシフトが求められてきています。本学科では入試において、コンピテンシー重視の面接を行っていますが、今後も更なる検討が必要になってくると考えている今日です。
学年においては、コンピテンシーが経年的に伸びない学年もここのところ見られ、そのような学年はやはりね!というように、「ガクチカ」になるようなことが少ない学年となっているような気がします。
本書はまだ全て拝読してはいませんが、内容を十分に確認をして、今後の教育に役立てていきたいと考えています。

今後の仕事の参考に
PROGスコアと卒業後の仕事満足度やキャリア意識等と大学教育との関係を分析した内容はとても面白かったです。コンピテンシー因子が就職やその後のキャリアに大きく影響すること、卒業生が社会に出て必要と思う能力は、とても参考になりました。学生へのアプローチ方法を考える際に利用させていただきたいと思います。

PROG活用について

PROGで得られた学生の強みと弱み
Z世代、Society 5.0世代、VUCA世代の若者を社会へ巣立たせ、キャリア自律を自身で図れるよう教育するうえで、2年前からPROGをアセスメント・テストとして活用し、リテラシーとコンピテンシーの認知とフィードバックは、学生にこれまで以上に広く可視化された学修成果を認識させることにつながった。さらに、結果からのFD推進や会議体での協議等から教育改善の施策にも活用できている。本学のPROG導入の成果についてもっていた印象が、PROG白書2021を拝読することでより深まり、今後の活用についても参考となった。

PROG結果の本学での利用について
現在、在学している学生全員に2回受検させている。なぜならば、ディプロマ・サプリメントに反映させるためである。資質・能力を育てるための基盤づくりとして、「リサーチリテラシー」「キャリアプラン」という授業においてもPROG解説を含めて行っている。本学と類似している他大学との比較のデータは見ているが、白書に示されているデータが学生に示すことができるともっと効果的であると考えている。

ジェネリックスキルの可視化
まだ、十分に読み込めていないのですが、次の検討において参考にさせて頂きたいと考えています。
現在、学修成果の可視化を進めており、知識・技術・技能・態度のうちの態度に関して、PROGの活用を検討しています。また、ディプロマポリシーとの整合性を図る上でもエビデンスが必要であり、今回のPROG白書が参考になると考えています。
他の大学での活用実績および卒業生動向との関連性は、大変興味深いデータであると思っておりますので、参考にさせて頂きます。

PROG白書2021
本学では1年次と3年次にPROGテストを実施していますが、PROGテストの結果が進路選択にどのように活かされているかを把握していないため、しっかり勉強させていただき、今後の運営に活用したいと思います。

ありがとうございました
まだ読み終えられていませんが、本学では今年度よりPROGを実施し、活用方法はまだ手探りの状態です。参考にさせていただきます。

その他(大学教育全般)

PROGの活用法を考えるに適した一冊
本学はまだPROGを導入してはいないが、CP、DPの可視化にどう役立つかやリテラシーやコンピテンシーが、どのように作用・影響するのかの例を知れる。今後、導入を検討するに際し、他アセスメントやサーベイとどう組み合わせるのが良いのか、また単独でもどこまで使える可能性があるかを窺うことがことができた。加えて溝上先生、矢野先生、豊田氏の論考がとても読み応えがあり、大学の4年間という時間で何を育んでいけばよいのか、どのような刺激や活動の機会を学生に提供していくのが、社会に巣立った後に効果がありそうなのかの仮説を立てる上での大いに参考になった。

大学に問われるもの
第一部において、PROGの経年調査による知見とそこから導き出される提言について示されており、第二部では、研究者の皆さんが関わっている調査・分析の結果を提示していただいている。これらのデータや示唆は、ジェネリックスキルを大学教育のなかでいかに涵養し、身につけた能力を生かしていくのか、という課題への取り組みを促している。このことについて、異論を挟む余地はないと思います。
他方、学生が種々の能力を高めることの先にある「ゴール」は何かという問いに応えることは出来るのだろうかという疑問があります。端的にいえば「それが自分にとって有益なものと言えるのか」という問いへの答えが「社会で役立つ」という雲をつかむような回答で良いのか、という点です。
こう考えると、大学では学修という実践を通じて、「ジェネリックスキルを身につける場所」であり、「学問を探求する場所」という発想の今日的あり様を考えざるを得ないという結論に達します。ある意味、大学がマス化しユニバーサル化した段階で、その課題はあったが、研究者からその発想は出てこなかっただけなのかもしれません。
書籍の感想から脱線した意見となってしまいましたが、本書を手にして、今後50年の間に、多くの大学が、「学問の府」としての大学から「脱却する」ことを余儀なくされる現実に直面するという暗澹たる気持ちと同時に大学教育の「メタモルフォーゼ」への挑戦という意欲を見出す気持ちを感じました。

私が行っておりますキャリア教育のコンセプトが「まなぶとはたらくをつなぐこと」としておりますので、とても分かりやすく拝見しました。
とても読み応えのある内容で勉強になりました。常々課題としているのは、PROGの結果を正課、正課外の取り組みとどう繋げ、大学生の成長に繋げられるかだと思います。その点からも有識者の研究結果のご報告は、とても参考になりました。

PROG2021白書
卒業生調査は学内でも課題となっています。一般的な傾向を把握、ベンチマーク作成に活用させていただきます。

『PROG白書2021』のご購入は → 学事出版のサイト
※その他インターネット書籍販売サイトからもご購入いただけます。
定価:2,400円+税

コロナ禍対策共有プロジェクト

セミナー・公開研究会情報

近日開催予定のセミナー・公開研究会情報がございません。

学ぶと働くをつなぐキャリア関連ニュースなど、当サイト最新情報を無料のメールマガジンにてご確認いただくことが可能です。



閉じる