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優良企業への就職にはコンピテンシー育成が大切

『PROG白書2018』データより、JPX日経400就職者のPROGスコアを分析

2019/02/07  タグ:  

学事出版・刊

10月に刊行した『PROG白書2018』では、就職した学生のPROGスコアを分析し、就職先の業種別・企業別にどのようなジェネリックスキルが求められる傾向があるかを検証することを試みた。「企業に求められる学生像がよくわかる」「キャリア教育の教材に最適」などの好評もいただいている(当サイトにお寄せいただいた読後感想記事はこちら)。

ここではその「番外編」的なものとして、『PROG白書2018』と同じデータを使用してJPX日経400(優良企業)就職者とその他企業(非優良企業)就職者の比較を行った結果の概要を紹介する。
『PROG白書2018』では、全国19大学の協力により、15165人(PROGテストを受検した2017年春卒業の学生)のデータを得た。進学その他を除いた就職者(コンピテンシー受験者数)は10010人。そのうちJPX日経400(優良企業)への就職者は852人で、「優良企業比率」は8.5%となった。

全産業:優良企業就職者はコンピテンシーが高水準

優良企業に就職した学生、非優良企業に就職した学生のPROGスコアを比較すると、リテラシーの項目ではほとんど差異が見られない。一方、コンピテンシーではその差が大きく、総じて優良企業への就職者のスコアが高い傾向を示す。優良企業に就職するためにはコンピテンシーの高い水準が求められるといえそうである。
コンピテンシーの3つの基礎力の中では、対課題基礎力のスコア差は小さいが、対人基礎力、対自己基礎力では、優良企業就職者が非優良企業就職者を大きく上回る。コンピテンシー中分類でも、親和力、協働力、統率力といった対人基礎力でその差が大きく表れる。

業種別:特徴的な「情報通信業のコンピテンシー」「製造業のリテラシー」

次に、業種別に同様にPROGスコアを集計・分析した。

□多くの業種では、「リテラシーは明確な差がないが、コンピテンシーは総じて優良企業就職者のスコアが高い」という全産業と同様の傾向を示した。

□不動産業、建設業は全体傾向と近く、優良企業就職者のコンピテンシーが非優良企業就職者を上回る傾向。
□卸小売、金融保険業では、優良企業就職者と非優良企業就職者のコンピテンシーの差はほとんどない。

□両者の差がひときわ大きいのが情報通信業で、優良企業就職者のコンピテンシーの高さが目につく。とりわけ、親和力、協働力、統率力といった対人基礎力の水準が極めて高く、非優良企業就職者との差が大きい。

□製造業は、コンピテンシーについては全体傾向とほぼ同じだが、リテラシーでは異なり、優良企業就職者が非優良企業就職者を明確に上回る。中でも、リテラシー総合や非言語処理力での差異は大きく、大学の基礎学力や数学など論理的思考力の差が出ていると推測される。ただし、製造業の非優良企業就職者のリテラシーが低いわけではなく、リテラシー各項目のスコアは全産業の優良企業就職者よりも高い。

就職率を上げるだけでなく、難易度の高い優良企業(人気企業)への就職を支援するのであれば、コンピテンシーの育成が極めて大切なことがこの結果から読み取れる。

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