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学ぶと働くをつなぐ授業拝見[Clip Number 001]楽天球団×弘前大学

弘前大学人文社会科学部 「ビジネスシミュレーション実習Ⅱ・Ⅲ」

2016/06/10  タグ: ,  

基礎学習の実践の場としてのPBL

弘前大学の人文社会科学部で開講されている「ビジネスシミュレーション実習Ⅱ・Ⅲ」は学生達が、通年で一つの企業課題に取り組む。あらかじめ専門基礎として、経営学、経営管理、マーケティングを学習。その理論の実践の場として本実習を履修する。また、並行してキャリア科目を受講し、就業観を育成し、職業理解も進める。
その後、学生は6つのチームに分かれ、それぞれが「学生カンパニー」という疑似企画会社となり、6社から出される課題に対し、議論を重ね解決へと取り組むプログラムである。本年度は37名の学生が履修している。
学生に課題を提供する6社のうちの1社が、宮城県仙台市に本拠地をおきつつ、東北各県での地域密着を目指す東北楽天ゴールデンイーグルス(楽天球団)である。

「楽天イーグルス2軍の試合に観客5200名を動員せよ!」

5月20日、楽天球団の観客動員に取り組む学生達の中間プレゼンテーションが行われた。

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学生達はこれまで学んだマーケティングの知識を活用して、「学生」「ファミリー層(親子連れ)」「女子学生(若い女性)」にターゲットを定めた。「学生」については、調査を行って野球観戦に関する要因分析をし、「誘われたら見に行く学生」たちへのキッカケとなる商店街連携企画を立案。ファミリー層に対しては試合後のアトラクション企画、女子学生には、アスリートの筋肉に魅力を感じるとの調査結果にヒントを得た「筋肉おさわり企画」と、多彩なアイデアが出された。楽天球団の社員からの評価も高く、実行に向けての企画を進めてゆくこととなった。

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リフレクションを重視した後半の学び

学生たちの企画案は、7月に弘前市運動公園野球場(はるか夢球場)で行われる2軍の試合で実行される。そして、その結果を踏まえ、再度学生達は、最終プレゼンテーションへ向かう。取組に対する効果検証をし、改善案を取りまとめてゆく。単なる推測ではなく、できるだけデータを取りまとめ論理的で、かつ実現可能な企画へとまとめてゆくのである。
企業とのPBLが、解決案提示で終わる事が多い中、実行後の振り返りに重点を置いているのが、弘前大学のビジネスシミュレーション実習の大きな特徴である。また、同時に学生の主体的な活動に重点を置いており、企業との打ち合わせも、初回以外は全て学生が自ら進め、教員が関わり過ぎないようにしていることも大きな特徴である。

大きく成長する統率力・自信創出力・行動持続力

本プログラムは平成28年度経済産業省「産学連携サービス経営人材育成事業」に採択されており、専門知識、企画提案力に加え、ジェネリックスキルの育成にも力を入れている。前年度の学生の履修前後の能力測定では、「目標に向かって組織を動かす」統率力、「モチベーションを維持する」自信創出力、「主体的に動き、良い行動を習慣化させる」行動持続力が有意に伸長している。卒業後の学生たちが、実社会の中で身に着けた能力を活かし、さらに活躍することが期待される。

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