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卒業生を巻き込み、きめ細かなキャリアサポートに取り組む

「第1回 キャリアの広場LIVE」実施レポート Vol.2

2020/10/02  タグ: ,  

当リアセック「キャリアの広場」編集部では、2020年8月27日、オンラインセミナー「キャリアの広場LIVE」を実施した。従来のweb上の記事企画を、Zoomによるウェビナーでライブ講座にし、Q & A 機能で参加者からの質問を受ける双方向型オンラインセミナーで、全国から100名以上のご参加をいただいた。

本セミナーのレポートVol.1では

講演② 森樹男 弘前大学人文社会学部 教授
”学ぶと働くをつなぐ”授業拝見シリーズ ビジネス戦略実習

を中心に紹介した。引き続きこのVol.2では、

講演③ 平澤 竜一 創価大学 キャリアセンター係長
卒業生とコラボした職業観醸成ワークショップ(Bridge To the Future)

を紹介する。

■学生の職業観を醸成するワークショップ、創価大学「Bridge To the Future」

創価大学キャリアセンターは積極的にさまざまな「仕掛け」をしており、それによって、2020年3月卒の就職実績でも、以下のとおり高い成果をあげている。
▶ 進路決定率 → 90.5%(進路決定者÷卒業者×100)
▶ 企業就職率 → 98.0%(就職決定者÷就職希望者×100)
▶ 就職先満足度 (肯定評価) → 88.1%
▶ 大学生活への充実度 (肯定評価) → 93.0%
そこで、創価大学キャリアセンター係長・平澤竜一氏にご登壇いただき、「さまざまな仕掛け」の1つである、卒業生とコラボした職業観醸成ワークショップ「Bridge To the Future」を主題としていただいた。

 

小写真:創価大学キャリアセンター係長 平澤竜一氏

 

進路仮決め制度の狙いと概要

創価大学のキャリアサポートは、正課・課外ともに多くのメニューがある。特徴の1つは「進路仮決め制度」だ。導入の背景について平澤氏はこう説明する。「3年になって初めて進路・就職を考える学生が多く、能力開発においても1・2年生から意識させることが難しく、採用試験において厳しい結果となっていった現実から導入されました。」
その上で、「1年次で進路を仮決めした後、2年次を通じて本決めするための1つの機会として提供している」と、演題であるキャリアイベント「Bridge To the Future」を位置づけた。

 

キャリアサポートの流れ

「Bridge To the Future」は、2年生限定の学内1Day就業体験イベント(正課外)で、教員・公務員・民間企業など、各方面に進んだ卒業生と協働し、24の就業体験ワークショップを提供するものだ。
▶ 職業観(仕事理解含む)の醸成
▶ 低学年向けインターンシップの少なさ
▶ 学生の心理・時間・金銭・距離的ハードルの克服
といった背景から、学内での開催となっている。土曜の午後に1コマ約60分×3コマが設定され、学生は最大3業界のワークを体験できることになる。


提供されるワークショップの例。「内的キャリア(価値観)」「メッセージ」は
学生がワークショップを選択しやすいように提供している情報

このキャリアイベントは、異なる3業界のワークを1日で体験できるのが特徴的だが、最大の特徴は、なんといっても各業界の第一線で活躍する多数の卒業生が、ワーク内容の企画から当日のファシリテーション、参加学生へのフィードバックまで、全面協力していることだ。
ここで、2020年1月の実施の模様が動画で紹介された。
動画で見られた、「顧客目線に立つことの大切さを学ぶ」「専門性を活かして課題を解決する醍醐味を味わう」ようなワークショップは、卒業生が日々働く現場からこそ生まれると言えるだろう。また、実際にその業界で働いている先輩からの言葉の1つひとつが、学生にとって得難いものとなっていることも見て取れる。
参加学生インタビューでは、以下のような感想があった。

「なんとなく気になる業界というのはあったんですけれど、それが実際にどういうことをしているのか、あまりイメージが湧いていなかったので、実際に体験できたことで、そのイメージが具体的になったと感じます」

「ワークを通じて、自分が持っていた業界の印象を大きく変えることができ、自分のキャリアを広げるいい機会になりました」

「実際にワークをする中で、これまで知らなかった、その業界において必要なスキルを知ることができて、よかったです」

これらの声を受けて平澤氏は、「就業体験から振り返りを行うことで職業観の醸成につながっていると実感しています」と語った。

■コロナ禍への対応

今年度のコロナ禍においては、キャリアサポート全般が対応を迫られ、従来、対面で実施してきたものを、それぞれオンラインに置き換えての実施となった。

2020年度春学期の状況

 

このうち、面接対策会は、新卒採用プロセスにおいてオンライン面接が急増したことを受け、急遽実施したもの。約60人もの卒業生が指導役として協力し、約200人の学生が1対1で30分のオンライン模擬面接を受けることができた。
秋学期は、一部対面授業が再開されるものの、キャリアイベントに関しては引き続きオンラインでの開催が求められているという。そのため、1月に実施予定の「Bridge To the Future」に関しても、初めてオンラインで実施すべく、悪戦苦闘しながら、卒業生と連携をとって準備を進めているとのことだ。平澤氏は、「学生が将来に対して大きな不安を抱えている状況でもありますので、それを少しでも緩和できるよう、キャリアサポートも新しい形式で提供できるように努めています」と語る。

最後に、キャリアセンターとして「職業観の醸成」に関して重視していることをあげてまとめた。

 

平澤氏のまとめ

 

■当日の質疑応答(Q & A)

講演中に Q & A 機能でいただいた質問から、時間の許す範囲でいくつかお答えいただいた。

Q. 2年生は就職に関心が低い学年に思います。参加へのモティベーション向上にどのような工夫・仕組みを準備されているのでしょうか?
A. 学生の集客の難しさは日々実感するところです。Bridge To the Future は、対象となる学生約1500人のうち、参加は例年400人から500人となっています。課外イベントは、どうしても就職への意識の高い層から中間層にかけての参加にとどまるので、意識の低い層に関しては、正課の授業、とくに必修科目の中にキャリア科目をきちんと入れていくことが重要ではないかと考えています。
Q. 卒業生の協力が大変大きいと感じましたが、どのように卒業生の協力を集めていらっしゃいますか。
A. 卒業生との関係づくりは、在学中に就職や進路支援でどれだけ深くかかわれるかということが、いちばん大きな、重要なポイントだと考えています。創価大学では1年生から随時進路相談を受け付けていて、1年生で2~3回、2年生でも2~3回というふうにキャリア相談を重ねて、4年間ずっとその学生に寄り添いながら関係ができています。
また、本学の特徴として、後輩を自分以上の人材にということでピアサポートが活発です。毎年秋学期には、進路が決まった4年生が約100名、1・2年生の進路支援をする「キャリアサポートスタッフ(CSS)」、または3年生の就職活動を支援する「リクルートサポートスタッフ」に、ボランティア参加しています。この2つの学生グループをキャリアセンターの中に抱えて、後輩の支援に意欲のある4年生とともにキャリア支援を行っているというのが、卒業後にもつながるポイントになっていると思います。

■当日お答えできなかったご質問

時間の関係でお答えできない質問も多かったため、後日、改めて平澤係長にメールでご回答をいただいた。

■第1回「キャリアの広場LIVE」を終えて

このコロナ禍においても、ジェネリックスキル育成やキャリアサポートに腐心されている皆様のご参考になる2つの事例をお届けした。また、「キャリアの広場LIVE」は第2回以降も企画したいと考えており、ご意見ご希望などをお寄せいただきたい。

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