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●緊急記事●文部科学省平成24年度新規事業公募要領を読んで〔第1弾〕

2012/06/28  タグ:  

角方正幸(リアセックキャリア総合研究所所長/「就業力の広場」責任者)

「大学生の就業力育成支援事業」(平成22年度~23年度)の採択校180大学に対し、1月16日に文部科学省で「平成24年度 産業界のニーズに対応した教育改善・充実体制整備事業」の説明会が行われた。この新規事業は当初、3月中には公募要領が明らかにされるのではと予想されていたが、それをはるかに超え、6月25日にやっとその内容が明らかとなった。
この間、4月下旬には類似の「大学間連携共同教育推進事業」の公募要領が発表され、5月中旬から全国7会場での公募説明会及び個別相談会が開催されてきた。こちらは昨日(6/27)が申請の締め切りであった。

そこで、今回明らかとなった公募要領から、「本事業のポイント」「就業力育成支援事業(終了)との関連」「類似の大学間連携共同教育推進事業との相違」を考えてみた。

本事業のポイント

1.   申請は大学グループの幹事校に限られ、単独の大学では申請できない。
2.   各グループを構成する大学数は15~25校程度。
3.   各グループ(地域)産業界のニーズに対応した人材が育成される取り組みであること。
4.   選定件数は9件程度を予定。
5.   取り組みのテーマ例として、以下6例が挙げられた。

・産学連携による教育改善
・評価・指導方法の改善充実
・共通プログラムの開発
・インターンシップの高度化
・特定分野による連携
・特定地域による連携

就業力育成支援事業との関連

就業力育成支援事業採択180校との関連は、直接的には表現されていない。しかし、以下のような理由から、180大学が主な対象と推測できる。

・対象とする大学が「幅広い職業人養成に比重を置く大学」で共通している。
・主目的が「社会的・職業的に自立し、産業界のニーズに対応した人材育成」で共通している。
・公募発表から締め切りまで1か月と短期間で、準備期間がない。
・事業規模(予算額23億円)と配分が、180校をベースに算定された節がある。
180校×1200万円(連携校/年間)+幹事校上乗せ分1000万円×9校=22.5億円

したがって、排除されるものではないとはいえ、採択180校以外が新規に参加するのは困難とみられる。

大学間連携共同教育推進事業との相違

いずれの事業も、事業仕訳により、前年度までの事業が廃止に追い込まれ、新たな姿で新規事業として誕生した経緯がある。タイトルだけみると全く別物のように見えるが、大学間連携というキーワードに着目して事業の目的をみると、同じ「大学教育の充実と質の向上」を目的に確保された予算であることがわかる。このため、違いのわかりづらい、同じような取り組みになっている。

あえてその違いをみると、「大学間連携共同教育推進事業」は全国区型の大学連携であるのに対し、本事業「産業界のニーズに対応した教育改善・充実体制整備事業」は地方区での連携といえよう。
また、本事業は「幅広い職業人養成に比重を置く大学」が対象のため、主として研究者養成に重点を置いている大学群は除外されているが、「大学間連携共同教育推進事業」にはそのような限定がなく、すべてのタイプの大学が参加可能となっている。

当然のことながら、この2つは重複申請できないことから、いずれの事業に応募するのが得策か、悩ましいところである。

 

〔第2弾〕の記事はこちら

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