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文科省「産業界のニーズ~事業」中部地域の全体会議に参加して

2012/12/18  タグ:  

角方正幸(リアセックキャリア総合研究所所長/「就業力の広場」責任者)

文科省の「産業界のニーズに対応した教育改善・充実体制整備事業」に採択された、中部地域「中部圏の地域・産業界との連携を通した教育改革力の強化」事業の拡大会議(参加23の大学・短期大学)及び幹事校会議が、11月中旬に名古屋で行われた。
私はこのブロックのアドバイザリーボードのメンバーとして参加し、本事業の意味と就業力育成がなぜ求められるかについての講演を行った。

「産業界のニーズに対応した教育改善・充実体制整備事業」の意義について
http://www.riasec.co.jp/hiroba/sys/wp-content/uploads/2012/12/7b34220e9cb256252e50e4c52f578d84.pdf

この会議に参加してみて感じた印象や、改めて考えた課題についてコメントしたい。

広域のさまざまな大学が連携する、初めての経験

まず「中部地域」とはいっても静岡地域、北陸地域、名古屋圏と広範囲に及び、お互いの学校間で知り合いが少ない会合であることが目についた。今回のように、学校種や地域、規模が異なる23もの高等教育機関が一堂に集まり、同じ目的で活動することは本当に珍しい。たぶんどの大学・短大にとっても初めての経験だろう。
これらの多様な参加校が連携して事業を実施していくには、23校を4つに分けたサブグループのそれぞれのリーダー(副幹事校)が、強力なリーダーシップを発揮していかなければまとまらないのではと懸念される。その一方で、大学人が大学をまとめるという手法には、相当な困難がありそうだ。なぜなら各大学の教員には他大学への遠慮があり、協力が得られそうな範囲でまとめる傾向が出てしまうからだ。

目的や実施する内容が明確になっているグループは、そのような困難を少しずつ克服し、共同歩調が取れてきているようだ。しかしそのように大学同士の連携が取れ始めたグループを含めて、産業界との連携は全体的に遅れている。産業界のニーズ把握はこの事業の大前提だが、その後、具体的にどのように相互の連携を図っていくのかが、これからの課題になると思われる。

「高等教育全体の教育改善」が問われる

拡大会議及び幹事校会議に参加した各大学の関心は、文科省から問われる事業成果に関してであった。
ポイントは、今回の事業趣旨からいって、個別大学へのバラまきではなく、高等教育全体への教育改善がなされたとアピールできるかである。その要素は、当面の課題である「大学間の連携」と、今後の課題である「産業界との連携(産学連携)」なのであって、難題ではあってもこれらの課題への取り組みが「事業成果」につながるということを、アドバイザリーボードのメンバーとして助言した。

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