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重要な対策は「授業の改善・改革」。問題は実現可能性?
みなさんのご意見から

2011/12/12  タグ:  

「キャリアセンターの強化」が意味する「専門部署の強化」と、「初年次教育の強化」が意味する「授業の改善・改革」。就業力育成対策において、どちらがより重要だろうか。
――という点についてみなさんのご意見を伺った。

「就業力育成に関する学長調査」をもとにした「就業力育成対策で重要な対策」についての記事はこちら。

票数はほぼ拮抗だが……


みなさんのご意見はグラフのとおり、B「授業の改善・改革」がやや多いものの、ほぼ拮抗した。AまたはBを選んだ理由のコメントを見ると、「キャリアセンターの強化と授業改革は両輪である」「A・B双方の一致が何よりも望ましい」「どちらかを選ぶのは正直難しい」など、票数(人数)がほぼ同じというだけでなく、1人の人の気持ちの中でも両案が拮抗している様子がうかがえる。

しかし、A「専門部署の強化」への投票の理由の中には「現実的」という言葉が目立った。

「全学一体となることが強く求められる「授業改革」よりも学内での明確なリーダーシップを取る部署を決めてそこが引っ張っていくという形のほうが現実的なのかもしれない」
「現状の先生が教え方を変えることに現実感が無い。なので、スタートは、専門部署にて立ち上げる」
「教員が本来の教学の外で、キャリア教育を重視した活動をも兼務することは現実的ではない」

これらのコメントは、「理想論としてどちらが重要かといえば、授業改革だ」と考えているようにも見える。理想だけを言っても実現しないのでは意味がないので、「現実的」なほう=専門部署の強化を選んだ、ともとれるのだ。実はB「授業の改善・改革」は、票数の差以上に重視されているのかもしれない。

それぞれの理由

AB双方の投票について「その理由」の代表的なものを一つずつ紹介しておこう。

より重要なのはA「専門部署の強化」の代表的な意見
「教員が本来の教学の外で、キャリア教育を重視した活動をも兼務することは現実的ではない気がします。やはり、大学職員が主体的に専門部署の強化を通じて、教員のフォローをしていくことのほうが重要ではないでしょうか?」(石崎一郎さん/企業勤務・教育環境企画コンサル(GCDFキャリアカウンセラー))

より重要なのはB「授業の改善・改革」の代表的な意見
「学校の柱は授業であり、初年度教育を強化することで、生徒がスムーズに学生に移行することができれば、大学という環境で成長でき、結果的に就業力も向上すると考える。
キャリアセンターなども重要だが、あくまでオプションであり、一歩間違うと小手先のスキルのみ伝えてしまう危険性もある。やはり授業の改善・改革が先であろう。
(しかし強化しやすいのはキャリアセンターという実情はあるだろうからそこが、、、)」
(酒井淳平さん/立命館宇治中学校・高等学校教諭)

理想「授業全体の改革」か、現実「キャリアセンター強化」か、
それが問題だ

コメントの中で目立ったのが、「付け焼刃」「小手先のスキル」など「就職対策」に対するネガティブなイメージだ。
就職対策や就職活動支援は大学教育にとって非本質的だという概念、あるいは、少なくとも今まではそうだったという反省が、こういったイメージにつながっているのではないだろうか。

就業力育成に教員がどうかかわるかについてのコメントもいくつかあった。総じて、「授業の改善・改革」を伴うならなおのこと、就業力育成支援には教員の意識改革と行動改革が必要だが、それができるかというと見通しは悲観的、といった傾向が目立った。

これらを総合して見ると、理想=あるべき論を重視する立場の人は「授業改革」を選び、現実=実効性を重視する立場の人は「専門部署の強化」を選んだといえそうだ。
理想と現実の狭間で悩む多くの大学関係者が参考にしたいのは、理想の「授業の改善・改革」に成功した事例だろう。その大学はどのようにして実現困難と考えられる授業の改善・改革を成し遂げたのか。このサイトでも今後、そのような大学に着目し、理想を現実にするにあたって有効だった方法論や手法を共有し、検証していきたい。 

角方正幸(リアセックキャリア総合研究所所長/「就業力の広場」責任者)

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