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文科省「産業界のニーズ~事業」地域グループ公式サイト評価

滋京奈、九州・沖縄が同点の最高位

2013/08/06  タグ:  

平成24年度から実施されている「産業界のニーズに対応した教育改善・充実体制整備事業」では、7月22日に中部グループの公式サイトが公開され、すべての地域グループの公式サイトが出揃った。これを機に、全10グループのwebサイトを編集部独自の基準で評価してみた(表1参照)。

表1

■全般 ■広報(含む情報更新) ■活用
評価項目→
地域グループ
(幹事校)↓
1事業
__概要/
__目的
2外部を
__含めた
__体制
3連携校
__紹介
4デザイ
__ンなど
5全体
__活動
6個別
__活動
7公開
__意識
8外部
__対応
9内部
__活用
10外部
___活用
北海道・東北
(秋田県立大)
首都圏
(青山学院大)
関越
(新潟大)
関東・山梨
(電通大)
中部
(三重大)
滋京奈
(京都産業大)
兵庫・大阪・和歌山
(大阪府大)
中国・四国A
(島根大)
中国・四国B
(高知大)
九州・沖縄
(福岡工大)

◎=高く評価できる/○=評価できる

7月23日時点の評価であり、その後の修正や更新は反映されていない。評価は「就業力の広場」編集部の複数のメンバーによる合議で行ったが、偏りや限界もある独自基準の評価に過ぎない点はご了承いただきたい。

滋京奈、九州・沖縄が同点の最高位に

総合的に最も評価が高かったのは「滋京奈」「九州・沖縄」の2グループのサイトである。

滋京奈(幹事校:京都産業大学)は、大学間の連携だけでなく産業界との連携への配慮が見られるという点で、事業趣旨によく合致したサイトとなっている。
事業の全体だけでなく、テーマ部会の内容まで詳しく表記されている(評価項目1)。「連携協議会」のページには、事業体制図に加え活動計画図もあり、いずれも産業界の団体がきちんと組み込まれている(評価項目2)。「お問合せ」は専用のフォームが用意されている(評価項目8)。
TOPICSを「連携協議会」「テーマ部会」に分け、全体活動・個別活動ともに活動内容が随時報告されている(評価項目5・6・7)。「告知」「報告」の区別、目的のページへのアクセスのしやすさ、サイト内検索機能の設置など、見やすく使いやすいデザインである(評価項目4)。一般公開されるフォーラムの告知をわかりやすく掲載するなど、外部が情報を取得・活用することを想定している(評価項目10)。

事業名のうち「産業界のニーズ」の部分に重点を置いたのが滋京奈のサイトなら、「教育改善」に重点を置いたのが九州・沖縄(幹事校:福岡工業大学)のサイトという印象である。
3つの(教育的な)サブテーマからなる事業の全体像はトップページで一目瞭然であり、さらに、全体の概要・実施体制・年次計画などが「本プロジェクトについて」で、各サブグループの取組内容・達成目標と成果物・年次計画がそれぞれのページで、詳述されている(評価項目1)。サブグループごとの進捗は、新着情報として迅速に公開され、その内容も活動記録なら写真、会議なら主要発言が含まれるなど充実している(評価項目6・7)。公開情報がこれだけ充実していれば、連携校のための掲示板のような機能がなくても、内部での情報活用に支障はないだろう(評価項目9)。
サブグループごとのアイコンや色分けしたラベルなど、デザインは機能的で、他地域のサイトとは異なる個性を見せている(評価項目4)。

その他8グループ公式サイトを評価すると

その他グループのサイトについてもひとことずつコメントしておこう。

北海道・東北(幹事校:秋田県立大)
「このサイトについて」という独立のページでサイト運営主体・問合せ先を明記している点(評価項目8)、連携校のための「情報交換掲示板」を設けている点(評価項目9)は評価できる。しかし、認証がないと多くのページにアクセスすることができず、積極的な広報とは言い難い。
連携校のうち弘前大学の事業サイトは充実しており、活動報告の更新が頻繁に行われている。他の連携校にも同様の広報を期待したい。

首都圏(幹事校:青山学院大)
事業全体の説明として、選定取組概要資料(文部科学省PDF)のみでなく、「開始にあたって」などこのサイトのために作成している点(評価項目1)などは評価できる。しかし、「日経キャリア教育.net」内のコンテンツとなっており、認証がないと「事業報告書」「シンポジウム開催のお知らせ」などを含むほとんどの情報を見ることができないので、外部への広報機能はきわめて弱い。

関越(幹事校:新潟大)
会議の報告などが随時行われ、トップページに新着情報として掲載されている点(評価項目5)などは評価できる。

関東・山梨(幹事校:電通大)
各連携校の取組趣旨・計画を大きく紹介しているのは他サイトにはない特長で、高く評価できる(評価項目3)。印刷資料をそのままwebサイトに転用したものと思われ、デザイン的な見易さはある(評価項目4)が、webサイトの特性が活用されていない。

中部(幹事校:三重大)
事業全体の説明として、選定取組概要資料(文部科学省PDF)のみでなく、「事業推進責任者挨拶」などこのサイトのために作成している点(評価項目1)、産業界との連携について比較的詳しい情報がある点(評価項目2)などは評価できる。
公開直後のため項目5~7は評価不能だった。今後の更新の量(頻度)と質によってかなり評価が上がる可能性もある。

兵庫・大阪・和歌山(幹事校:大阪府大)
公開イベント(合同フォーラム)の報告書が非常に充実しており、産業界・地域、学生、その他の主体が情報を取得・活用することが想定されている点は、高く評価できる(評価項目10)。

中国・四国A(幹事校:島根大)
ほぼすべての連携校がそれぞれ独自に事業ページを作成しており、「連携校の取組」ページにそのリンク集がある(評価項目3)。「中国・四国地域連携会議設置要綱」が公開されているなど、産業界との連携への意識は高い(評価項目2)。
まだ作成中なのか、リンクが飛ばないページが多いのは残念である。

中国・四国B(幹事校:高知大)
トップページの「更新情報」は、個別大学の報告などが中心だったが、全体活動の報告が増え、充実してきている(評価項目5・7)。今後に期待したい。

まとめ

今回はあくまでもwebサイトのみの評価であり、それ以外の広報活動や、事業そのものの内容・活動状況を評価したものではない。しかし、取組の中で重視している事柄は、サイト上でも自ずと記述が充実してくるだろうし、サイトの更新頻度を左右するのは広報への姿勢であるとともに、活動が実際にどれほど活発に行われているかだろう。
複数の大学が連携するという本事業の性質上、公式サイトがグループ内で担う機能は大きい。しかし公募要領などから考えると、「成果の共有」と広報・啓発を「グループ内外の大学・地域等」に対して行なうことが、公式サイト本来の役割として重要である。この視点から、形式的な広報ではなく、より積極的な広報活動を期待する。

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