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大学教育とキャリアの繋がりを解明
『PROG白書2021』の内容紹介
2021/11/30 タグ: 編集部より
「PROG白書シリーズ」の第4弾『PROG白書2021』(PROG白書プロジェクト編著)が、11月22日に学事出版より発刊となりました。
過去3年次にPROGを受検し、大学を卒業している若手社会人を対象に「卒業生調査」を実施。大学3年生が保有するジェネリックスキルが、実際に社会人として職場で活動するときにどの程度影響しているのかを、様々な角度から分析することを狙ったものです。「学ぶと働くをつなぐ」大学教育改革を目指す方々にとっての必読書となっています。
ご購入は → 学事出版のサイト
※その他インターネット書籍販売サイトからもご購入いただけます。
コンピテンシーが卒業後の仕事に与える影響の大きさが判明
第1部では、全国13大学の協力を受けて行った「卒業生調査」(卒業後3~5年目)をもとに、大学におけるどんな学修経験が就職後の仕事評価や職務満足と結びついているのか、さまざまな分析・考察を行いました。特に第2章が、卒業後3~5年時点での「仕事満足度とキャリア意識」と大学教育との繋がりを解明する主要部分で、下表はその分析結果の一つです。
表頭のQ10の6つの設問は、現在の仕事および将来のキャリアのための活動について尋ね、社会人としての職場での活動が良好か、充実しているか、などを評価した「仕事満足度とキャリア意識」の指標です。表側の冒頭にあるQ11の3因子が、大学教育によって身に付けた能力である「コンピテンシー」「リテラシー」「授業科目修得度」の自己評価です(PROGテストのスコアそのものではないことに注意)。表側には「Q3.学業成績」以下も加え、Q10の各要素を被説明変数として重回帰分析を行った結果を表に示しています。
+、-、(?)の記号は、表側の項目が表頭の「仕事満足度とキャリア意識」と繋がり(相関)があることを示しています。空欄は繋がり(有意な相関)がないことを示します。
大学で身に付けた能力のうち、コンピテンシー(自己評価)が「仕事満足度とキャリア意識」の6指標すべてに対して有意にプラスの相関(繋がり)があり、卒業後の仕事に対する影響の大きさが明らかになりました。対照的にリテラシー(自己評価)は6指標いずれにも直接には影響を与えていません。
もちろん6指標とも、コンピテンシー(自己評価)のみで規定されているわけではありません。その他の要因についての分析は、本書をご覧ください。
有識者からのコメントと大学教育改革への視座
この他にも、「大学3年時のPROGスコアと卒業後のキャリアの関係」「社会で求める能力と大学での修得能力のギャップ」など、さまざまな分析を行い、その結果を踏まえて大学教育改善への提言としてまとめました。
さらに第2部では、3名の有識者から、今回の13大学卒業生調査に対するコメントと、これに関連するご自身の研究成果について寄稿をいただいています。
『PROG白書2021 大学教育とキャリアの繋がりを解明』
目次はこちらのページをご覧ください。
既刊 PROG白書シリーズ についてはこちら。